アニメ感想 3月のライオン

(Twitterに上げたのと同じですが、記録して残しておきます)

 

FGOという基本無料ガチャゲーミングに登場した「オベロン」というキャラクターに沼ってしまい、オベロンの絵師である「羽海野チカ」さんの作品に触れてみたいと思い、この度は知見を増やすためにAmazonPrimeで「3月のライオン」のアニメ(44)を視聴してみることにしました。

 

過酷な運命を背負い、生きる為にプロ棋士の道を選ばざるを得なかった少年が、多くの出会いや別れを通して人間的に成長していく物語です。暖かい川本家の日常パートと、凍ったように冷たい主人公桐山零の心理描写パートが対比されたように進んでいきます。人間関係の暖かい部分だけで無く、孤独や孤立といった冷たい部分もしっかり触れられるので、双方が際立ちよりストーリーに没入することができました。

 

一応「プロ棋士」のお話ではありますが、将棋について知識が無くても場の空気感や心理戦が丁寧に描かれていて試合パートも楽しむことができました。(←そもそも途中は将棋どころでは無かったような・・)渋いおっさん達が好きなので柳原vs島田名人のタイトル戦が作中の試合の中で本当に熱く面白かったです。普段は胃痛持ちの地味なオッサンなのに、「何が現役最高年齢だ、強すぎるだろジジイ」と急に口悪くなる島田名人が控えめに言って格好良すぎるだろ...

 

他にも二階堂、宗谷名人、後藤、ハト飼ってるおっさん、東のイライラ王子とか魅力的な変人ばかり登場します。棋士という特殊な世界の中で生まれる「変人」達の絆というか腐れ縁のような関係性が新鮮で堪らなく好きでした。

 

印象に残るエピソードとして挙げられるのは、詳しくは言及しませんが、やっぱり2期の「いじめ問題」に纏わるエピソードが強烈でしたね。ある話から川本家=暖かく安心感のある空間という法則が崩れていって、精神がボロボロになっていくのが見るに耐えず辛かった。タオルで顔を隠しながら居間で寝転がっている所(見た人には伝われ)では、本気でいじめの主犯と母親と担任に殺意が湧きかけたので、それだけ没入できる物語を作られる羽海野先生は本当に天才だと思った。いじめの解決方法、結末まで含めてリアルな社会問題を知る上でもとても勉強になると思うので、この一連のエピソードだけでも見た価値があったと心から思いました。

 

こんな感じで、暖かくも冷たい人間関係の話が積み重なり展開される、感情が忙しくなるアニメでした。将棋の知識レベル1で楽しめるか不安だったけど、本当に面白かった!!

渋おじ好きとCV花澤香菜さん推しなら見て損はないと思う。オススメです!

 

「多分、逃げなかったっていう記憶が欲しかったんだと思います」

一番印象に残っている台詞。零ちゃん高橋くんに救われてよかったね・・

 

原作も気になるので余裕があれば追ってみたい。アニメ3期も待ってます!